写真への覚書-1-

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 再びカメラを持って写真を撮ろうとして、何を撮るか、ということが自分の中で問題となるのは、2006年頃だったと記憶しています。かなり遠くから帰ってきた感覚で、1984年以来だから20数年ぶりにデジタルカメラを手にしたのでした。何を撮るのか、泥沼のような釜ヶ崎へもう一度行くなんてことは考えられなくて、自然風物、生命の起源、なんて命題をもっていて、末裔として自分存在にいたってくる原点をまとめてみようと思うに至ったのです。痕跡シリーズと名付けて、太陽と海と地表の光景。空、海、地、という写真集にまとめるのは2012年のことでした。
 ここに連載した写真は、限定五部の写真集にした元データーです。別のアルバムにも載せていて、ネットで見られるようにしてあります。というより、発表の仕方について、デジタルカメラで撮ったデーターはデジタルデーターです。基本的に紙媒体にするのはフィルムで撮った写真、という固守があって、印刷物にはしませんでした。ところが井上さんという編集をしてくれる方に巡り合って、小部数出版ができるようになっていて、彼女に編集を委ねることにしたのでした。そうして完成したのが、空海地の三部作でした。ほかに自然物三種、文化背景の作品六種、合わせてその年、12冊を刊行したのです。
 ※掲載の写真は、自分の最年少のときの写真、どこかの写真スタジオで撮ってもらったらしい、1947年頃だと思われます。